更新日:2024/07/17

【研修会報告】◆令和6年度 4部会合同研修会◆

去る7月6日に4部会(施設・通所・訪問・居宅)
合同研修会が開催されました。

今回の研修会では、若年性認知症の当事者から認知症になって感じたことなどを共有し
日々の関わりの中に大切な視点を振り返る機会として、
若年性認知症の当事者である さとう みき 氏を講師に迎え、
参加者同士との意見交換も行いました。

【テーマ】認知症と私
  〜ひと足先に認知症になった、私からのメッセージ〜
【講 師】さとうみき 氏(+ご主人)


若年性アルツハイマー型認知症の当事者と
介護されているご主人から生の言葉を聞く貴重な機会となった。

みきさんは診断を受けた時、絶望し、自宅にこもる。
孤立感を感じ、誰かとつながりたいと思いながらもがき苦しんだそうだ。
支援センターでデイサービスの施設長と出会い、
散歩だとは思って遊びにおいでと誘われた。
通ってではなく、「働いてみたら?」と、
介護経験はないがやってみることを決意された。

認知症と言うだけで差別や偏見があり、
孤立と不安でさいなまれていた。
デイサービスで認知症の人と関わり、
自分は一人ではないと思え、気持ちが楽になったと。

「徘徊」と言う言葉はなく、大人の迷子。
外に出るには理由や目的が必ずある。
目的地にたどり着けず迷子になってしまう。
認知症の症状は記憶や判断能力の提示だけではない。
空間認知障害で物の位置が分かりくくなり、
目の前物のとれなかったりする。

エスカレーターの前で
一歩が踏み出せない方や玄関マット前で立ち止まる方があれば、
声をかけてあげてる。
柄の絨毯は凹凸が浮き出て見えやすく、
カレンダーや時計は近くにあると数字が渋滞して見える。
など、当事者であるさとうみき先生より
貴重な声を聴くことができた。
その声を職場などで生かしていきたいと思う。

その方が生きてきた来られた歴史を
知る事がケアに活かせる事が多い。
地域・施設を含めて認知症の人はできないと決めつけてもらうと悲しい。
他人からお願いされたり、頼られる存在であり続けたいと思う。
認知症になっても誰もが安心して暮らせる社会へ
ちょっと手伝って、助けてと気軽に言い合える社会へ。


休憩のあとのグループワークでは、
認知ご本人とご家族コミュニケーション取り方について意見を出し合いました。
各部会からのパネリストの意見で、
「人生の大先輩として対応する。上から目線にならないように。」
「してあげるのではなく、させて頂きます。」
「できないことでなく、できることに注目」
「本人の思いを尊重する」などがありました。

(本部会広報委員(訪問部会)

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